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原島博先生講演「いい顔がいいまちをつくる」

2007年8月20日(月)
8月6日に開催された【文京区制60周年/東京大学130周年記念事業大学連携事業文の京・大いなる学びシリーズ第1回「ひとの顔/まちの顔」トーク&ショーイング】講演「いい顔がいいまちをつくる」についてです。

講師は東京大学教授で日本顔学会会長の原島博先生。

文京区との共催で初めて原島博先生の講演を聴く人も多いことが予想され、顔学会での講演と違って何度も聴いたベーシックな話になると思いましたが、参加することにしました。
結果的に今までのおさらいをすることが出来たとても良い講演でした。
再確認するために振り返ってみます。
※赤字が私の言葉です。

午後1時からの「似顔絵体験ワークショップ〜ぼくの顔、わたしの顔〜」は子供もたくさん参加したようですが、午後7時からの講演には、お年寄りの姿が多かったように思います。

原島先生は、オレンジがかったピンクのビビッドカラーのポロシャツで登場。
一般的に思われがちな「東大教授=堅い」イメージを崩して、明るく若々しいイメージを強調しているようです。

・初めての人が多いということで自己紹介から始まりました。
10歳までは、アーティスト。10代は、哲学少年。20代は、情報理論。
専門はコミュニケーション工学。「顔学者」としての顔も持つ。

・必ずされる質問として「どうして顔を研究することになったのか?」というのがある。
   ↓↓↓↓↓
「いい顔に映るテレビ電話の研究(1985年)」から。
自分の一番気に入った写真をまず送って、その顔に表情付け。
顔の表情はどのように記述されるか?
顔の印象はどこで決まるのか?

コンピュータで、どのように表情をつけるのか?
コンピュータの中に顔の張り子を作る→張り子を動かせば表情がつく。

平均顔→バランスがいいになる。

銀行員の平均顔はあくまでも平均顔で、当たり前だがみんなが平均顔なわけではない。
同じ銀行員でもバラつきがある。(※プロレスラーの平均顔に似た銀行員もいた。)

研究室は犯罪者の平均顔は作らない。→差別に繋がるから。

昔の映画スターは遠くからでもわかるように目が大きいのが特徴。

人相学は占い。

人類学者が予想する100年後の頭蓋骨は信頼できるか?

今、日本人の顔に変化が起きている。


相対的にみるとアゴが小さくなった。(他が大きくなったのにアゴだけ変化がない)

歳をとるとハの字型のシワ(法令線)は出来て目尻が下がる。

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このような研究が一つのきっかけとなって顔を研究する学会ができた。
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1995年3月「日本顔学会」設立。
(読売新聞、日経新聞にも一面に大きく設立の記事が掲載された。)
現在の会員は約800名

顔学は人間学である
・顔は「証明書」
・顔は「心の窓」
・顔は「メディア」
・顔は「社会と時代の鏡」
・顔は「人間存在そのもの」

大顔展(1999年)
会員数900名の学会が開いた40万人相手の研究発表会

●とりあえずの結論

顔は変わる!
変えられる!
環境によって変わる
気持ちの持ち方によって変わる

長いこと銀行にいると銀行員の顔になる
顔は生活で変わる


●いい顔とは何か

いい顔の科学
いい顔とは何か?
どれがいい顔か?

・指名手配の顔
・免許証の顔
・3分間写真の顔
・一流カメラマンの撮った写真の顔
・プリクラの顔

●顔はコミュニケーション

機械を見ている顔
人間を見ている顔

コミュニケーションしている顔は「いい顔」→プリクラの顔
指名手配の顔は初めから悪い人だと思って見るから悪い顔

●顔はイメージ
顔は単独では存在しない
見る人と見られる人の関係が大切

顔にはイメージが重ね焼きされる
イメージが良ければよく見える
イメージが悪ければ悪く見える

いい心を持っていれば、顔もよく見える

↓↓↓↓↓

●自分の顔も同じ
自分の顔をよくイメージしていればいい顔になる

自分の顔は自分では見えない(自分としては自分の顔をイメージするしかない)→それは神様からの贈り物

自分の顔がいいと思っていると、相手から見てもいい顔

相手の顔がいい顔に見えたら、その時は相手から見て自分もいい顔

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顔訓13カ条−いい顔になるために−
1.自分の顔を好きになろう。
(上の「顔はイメージ」にあるようにいい顔になるための基本)
2.顔は見られることによって美しくなる。
(社会で活躍している人はみな美しい顔になる)
3.顔はほめられることによって美しくなる。
(ブスだブスだと言っているとブスになる。今日もキレイだねと言い続けるとキレイになる。)
4.人と違う顔の特徴は、自分の個性(チャームポイント)だと思おう。
5.コンプレックスは自分が気にしなければ、他人も気づかない。
6.眉間にシワを寄せると、胃にも同じシワができる。
(精神状態・健康に影響があり。特に胃が敏感。職業病。)
7.目と目の間を広げよう。そうすれば人生の視界も広がる。
(こうすれば困らない。眉間を開いた状態で困った顔はできない。困ることはできない。)
8.口と歯をきれいにして、心おきなく笑おう。
9.左右対称の表情作りを心がけよう。
10.美しい皺と美しいハゲを人生の誇りとしよう。
(女性の目からは、男よりはハゲが気にならない)
11.人生の三分の一は眠り。寝る前にいい顔をしよう。
12.楽しい顔をしていると、心も楽しくなる。人生も楽しくなる。
13.いい顔、悪い顔は人から人へ伝わる。
(日本顔学会初代会長の香原先生「自分の顔は周りの人のためにある」)

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欧州のある街で1984年
こどもを連れて歩いていたら街は温かくなった。
翌日から、一人で歩いても街は温かかった。

いい顔は人から人へ伝わる。
自分からいい顔をすればまわりもいい顔になる。
そして、そのいい顔がいいまちをつくる。

※今回は文京区と東京大学が共催の講演で、テーマが「ひとの顔/まちの顔」ということもあり、原島先生はこのように締めくくっていますが、さらに続けるとこのようなるのではないでしょうか。

そのいい顔がいいまちをつくり、いい顔がいい国をつくり、いい顔ががいい世界をつくる。
自分がいい顔になれば、いい世の中になる。

私の「ふくろう流顔訓13箇条」の第11条「明るい顔をしよう。世の中も未来も明るくなる。」につながりました。



講演後、挨拶に行くと原島先生から「僕の話何回聴いてる?」と質問されましたが、何回聞いてもいいものはいいです。
原島先生は「講演を落語や歌舞伎のように何度見ても面白いものにしたい。」とおっしゃっていまいたが、先生の講演はもうその域に達していると思います。
何度も聴いているので、比較ができるのですが、若い女性が多い【財団法人 花王芸術・科学財団主催、日本顔学会共催の、公開シンポジウム「顔と文化」シリーズ】での講演。
今回の学生からお年寄りまで幅広い年齢層を予測しての講演。
それぞれ聴講者に合わせて微妙にネタを変え、話の内容をアレンジしているのは勉強になりました。

ベーシックな話が中心でしたが、基本は常におさらいしていなければならないと思います。基本がしっかりしていて初めて応用が利く。
また
「顔学」に関する基本的な考え方を常に意識していないと、どの分野の研究であっても「顔学を利用した研究」となり「顔学の研究にはならない」・・・・・そんな気がしました。

原島先生の講演は、1999年の大顔展での講演に始まって、シンポジウム顔、フォーラム顔学、顔学会イブニングセミナー、昨年11月の公開シンポジウム「顔と文化」シリーズ(第1回)「進化し続ける顔」(※これも今回同様「顔学の基本」と言える講演でした)と10回以上聴いてきました。そして原島先生の著書「顔学への招待」を繰り返し読み、基本を繰り返しているうちに「顔」についての一つの真理が見えました。
近い将来「私の顔学」として、自分の言葉で発表したいと思っています。


バックナンバー
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