2002年7月15日(月)
7月11日に行われた、第21回 日本顔学会イブニングセミナー『顔の魅力づくり』−笑顔づくりからシワ・タルミの予測まで−に参加してきました。
講師はポーラ研究所の井上さくらさん。
「顔の何を見ているのか?」「魅力的な表情づくり」「シワ・タルミの予測」「化粧とは? 魅力とは?」と順序だててお話していただきました。
※赤字が私の言葉です。
まず、「魅力的な表情づくり」について「表情の中でも笑顔は特に好印象をもたれやすい表情。」であるということ。「笑顔の特徴として目尻が下がり、口角が上がる。」「だが、メークアップでこの特徴を描くと、他の表情にしたとき形に矛盾が生じる。」
そこで実際に“顔の変化はわかるのか?”と、顔を三次元計測してみて、表情判断実験をしたところ、一番大きな変化として「真顔の時と比較して、笑顔の表情の時は頬が隆起する」という結果が得られた。また、笑顔の表情の時は、目の下の膨らみを出っ張ってくるという結果もあった。
そこで、メークアップで笑顔をより魅力的に演出するために、化粧料に含まれる粉体の反射特性を工夫して作った、配合したファンデーションを開発し、他の表情は影響を与えず、頬が隆起した時のみその隆起を強調する効果を持たせる出来た。
「笑顔は好印象。そして笑顔を強調するには、頬を盛り上がらせる。」
この話を聞いて、「ミッキーマウスが人気があるのも、彼の頬は隆起していて、常に笑顔の表情をしているのが理由だ。」と思いました。もちろんミッキーは口角も美しく上がっています。
「シワ・タルミの予測」の中では、老け顔の印象をもたらすシミ・タルミの予防が大事という話。
(言われてみれば、久々に雑誌やTVに出ている女性芸能人を見て、「老けたな」と思い、どこが変わったか注目してみると、びっくりするくらいタルミが増えている人がいます。)
そこで、まず顔立ちによって現れやすいシワ・タルミの予測する技術を開発。
50代のシワ・タルミの目立ちやすさを調査したところ、【頬のくぼみ55%、目の下のシワ90%、首のシワ5%、目尻のシワ55%、額のシワ5%、口周囲のシワ5%、下顎ラインのタルミ95%、鼻唇溝5%、口角のシワ69%、上瞼のくぼみ55% ※紹介されたグラフの目盛りを元に書いています】という結果が出た。
これを顔の特徴によって目立ちやすい部分を分析したところ
・目が大きく、眉と目の間隔が広い人は、上瞼がくぼみやすい。
・アゴのラインが広い人は、アゴがタルミやすい。
・額が狭い人は、額のシワができやすい。
つまり、
シワ→狭いところに出来る。
タルミ→広いところに出来る。
というのが分かった。
また、・顔型が逆三角形の人(エラがなくアゴのラインが狭く、アゴが尖っている人)は、口角のシワができやすい。(狭いところにシワが出来やすいから。)ということも分かった。
そして、なるべくシワを生まないようにするには、1.紫外線防止(UVカット)、2.乾燥させない、3.栄養をとる。ということだった。
まとめの「化粧とは? 魅力とは?」では、
「化粧とは…自分の体を確認し、自分を表現する行為」で2つの方向性があり、
1.スキンケア:自分に触れるor他人に触れられることによって、自分の存在を確認する行為。
2.メークアップ:自分を表現する行為。
化粧をすることにより、lから認めてもらいたい欲求を満たすことができる。
自分を表現し他所から承認されたいからする行為。
※男性の場合、スキンケア・メークアップにあたる行為はヒゲの処理。
これらをまとめると大きく分けてこの2つを目的としているということだった。
・印象の演出(他者に見せるための化粧、外的からの防衛)
※主に他者の基準
・誰かの模倣(憧れの人への同一化、ある集団への帰属意識のあらわれ)
※主に他者の基準
講演後の質疑応答では、歯科関係の先生が、「噛み合わせの高さが低くなるとシワが出来る。その為にも『歯』は大事。口の衛生を徹底的に、口を健康に!口の衛生を!」と訴えていました。
歯を健康にすることが、美しさ(=魅力)をアップさせる上で、重要なファクターとなっていると再確認させられました。
他に、「笑って表情筋を動かすことは血行促進になっていい。」という意見も出ました。
私のシワに関しての考えは、「普段多くしている表情がシワになりやすい。」「怒った表情や困った表情をしていると、怒りジワや困りジワが出来る。」「考え込んでばかりいると眉間にシワが出来る。」「いい表情をしていると例えシワが出来たとしても美しくなる。」ということです。
また、シワを防ぐだけではなく、「どのようにシワと付き合っていくか」という話にもなり、最終的に、顔訓13箇条の「 美しいシワと美しいハゲを人生の誇りとしよう。」で落ち着きました。
歳をとった時には、シワが無い顔になるのではなく、「美しいシワ=笑いジワ」がいっぱいある顔になりたいものです。