2001年6月4日(月)
第18回 日本顔学会イブニングセミナーの『口元変われば、・・・』〜顔と歯科〜に参加してきました。
講師は新潟大学歯学部付属病院 特殊歯科総合治療武助教授の武田員人先生。
私も会場で聞くまで忘れていましたが、今日6月4日は「ムシ歯の予防デー」。以前は「虫歯の日」と呼んでいたそうですが、今は虫歯になる子供が少ないのでこのようになったというお話でした。
さて、講演内容で私が心に残ったことを書いてみたいと思います。
※赤字が私の言葉です。
WHOでは健康を「単に疾病がなく虚弱でないというだけでなく、身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態である」と定義していること。
つまり健康というのは精神的なことも含め社会生活を円滑に営みる状態。
社会生活を円滑に営みる状態ということは、経済的にも完全に良好な状態でないと健康とは言えないのかもしれませんね。
歯科学では予防の重要性は普及して若年者の虫歯が減少してきているので、現在はQOL(quality of life)向上のために(1)おいしく味わって食べる。(2)楽しく会話する。をテーマにしているというお話。
確かにいい生活を送ることにおいてこの2つはとても重要です。そしてそれが歯と密接に関わっていることを考えれば、歯科医療がいかに生活向上に大事かということも理解できます。
歯の無い人に義歯(入れ歯)を着用することで、若返ったと感じることが多く、それは、入れ歯を入れることで、つぶれた顔が伸ばされてしわが減り、つやが出る変化に伴って起こる現象である。
義歯一つでこれだけの変化があるということは、歯がいかに顔全体への影響を与えているということである。
外科的矯正治療をした患者のその後の心理として、咀嚼や会話と言った機能的な問題が改善したと同時に、治療後の顔貌に満足している人がほとんどである。また、治療後、性格が明るくなり、行動も積極的になるなど心理面での変化もあったこと。そしてそれは本人だけでなく周りの人も感じ、周りにもよい影響を与えるものであったこと。
これは歯の矯正が、身体的だけでなく精神的、社会的にもプラスに変化するということだ。
顔訓13箇条に「いい顔、悪い顔は人から人へ伝わっていく。」というのがあるが、歯を健康にするということは周りの人までも健康にしていくということで、まさにこの通りである。
私は美容整形は(怪我などの理由でする場合以外は)オススメしませんが、逆に歯科矯正はぜひやって欲しいと思っています。歯科矯正をすることにより、顔全体が美しくなっていきます。また、歯と脳は密接な関係がありますので、歯科矯正をし咀嚼を良くすることは脳の働きをよくすることにもつながります。
自分を変えるためにできること。
1.発想の転換
2.スポーツ
3.趣味
4.化粧法
5.呼吸法
というお話があったのですが、私がいつも相談に来られる方に申し上げる「何かを変えれば、何かが変わる」というのと同じことです。
場所を変える(旅をする)だけで発想の転換が行われたり、新しくスポーツを始め、今までに使っていなかった筋肉を使うだけで細胞が生まれ変わり人は変わります。そしてそういった行動が運を変えるのです。
この中にある化粧法というのも、観相的に言うと開運メイクをすると言うことになります。
最後の質疑応答の際に、歯科医院の関係者の方から「最近の若い人の口角が下がっている」というお話がありました。
それに対して、この日は聴講者であった審美歯科の寺川國秀先生が、アメリカにはスマイルトレーナーがいて、政治家を初めいろんな方が、綺麗な個性的な目元、口元にするトレーニングをしているというお話をされました。
「笑う門には福来たる」といいますが、先生は「笑う顔には福来たる」とおっしゃっていました。
また、口角が上がると寿命が長くなるというお話もされました。これは顔の筋肉と関係があり科学的な根拠があるそうです。
そしてもう一つ興味深いお話で「自然界にいる動物には、歯並びが悪い動物はいない」とおっしゃていました。
人間にこれだけ歯並びが悪い人がいるということは、自然でない柔らかいものばかりを食べているからではないかと思います。
この理由が正しいとするならば、ペットで飼われている犬などにも乱杭歯がいたりするのではないでしょうか。