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日本顔学会セミナー『コンピュータは似顔絵描きになれるか』

2002年12月24日(火)
12月12日に行われた、第22回 日本顔学会イブニングセミナー『コンピュータは似顔絵描きになれるか』−コンピュータによる顔特徴の解析と似顔絵の生成−に参加してきました。
講師は日本顔学会理事で、電気通信大学電子工学専攻助教授の金子正秀先生。
私は過去にiモード公式コンテンツ「似顔絵占いFAO」(※現在はサービス終了)の監修をしておりましたし、このホームページもたくさんの似顔絵描きの方のお陰で楽しいサイトになっていることもあり、数日前からこのセミナーを楽しみにしておりました。
※赤字が私の言葉です。

はじめに似顔絵とその応用について「似顔絵とは、顔の特徴を端的に誇張させて表現した、本人より本人らしい絵」であること。「コンピュータで似顔絵が描けるということは、データベースからの顔画像の検索、個人識別などの応用にも役立つ。」という説明があり、次に「コンピュータによる似顔絵の生成」の方法について説明がありました。
コンピュータによる似顔絵生成に関しては幾つかの方法が提案されているが、金子先生は固有空間法という数学的な手法のひとつを提案しているということでした。
これは従来の方法と比べ、似顔絵の作画に関わる様々な制御がしやすいという特徴があり、自由度の高い似顔絵生成が可能となるそうです。
今まで他の機関で行われていた似顔絵生成に関する研究では、以下の問題点がありました。
A.平均顔と比較してエッジ特徴を外挿(この場合、問題点として極端な誇張を行うと絵が崩れる。)
B.顔部品のパターン組を予め用意しておき、その組み合わせで似顔絵を生成(この場合、問題点として予め用意されたパターンに限定される。簡便だが、表現力は限られる。)
※私が監修していたiモード「似顔絵占いFAO」もBと同じでした。更に画面の小さい携帯端末ですので、表現力のある似顔絵を作るのには限界がありました。

固有空間法での似顔絵生成については、金子先生の研究室のホームページを見ていただくことにしますが、他に「似顔絵における口形状変化の表現」として、特徴強調の度合いに適した口形状変化を表現する方法(基本は、5母音「あ」「い」「う」「え」「お」と「閉」に対応)。「似顔絵における表情の付与」=喜怒哀楽などの表情を付けた似顔絵アニメーションを生成する方法。についての説明があり、ひとつの似顔絵から豊かな表現力をつけることが可能になるという説明がありました。
この中で面白かったのは、「平均喜びアニメーション」を作る際に、
喜びの表情は「唇の端点の動き」「口の上端と下端の点の動き」からデータを取るということで、喜びの表情はこの部分の動きから出来ているということでした。
つまり、口角(口の両端)を左右に広げて上げることで喜びの表情が出来るということです。これは、口角を上げるだけで他人に喜びの表情を見せることが出来、Happyの波動を送ることができるということの証明ではないでしょうか。


最後の「主成分分析を用いた顔特徴の解析」では、実際にコンピュータを使って顔部品の形状や配置を自由に変化させるところを見せていただいたのですが、ここで作られた顔はとても興味深いものでした。
眉の角度や長さで表情は大きく異なる。(メイクで眉を描くことで印象が大きく変わる)
目と眉の間の長さの違いでも表情は大きく異なる。
顔のパーツを中央に寄せた場合と、顔の外側に広げた場合の違い。
輪郭が逆三角形の顔を、おむすびのような三角形や台形っぽい輪郭に変えた場合、部品が同じでも印象が違う。
など、「単なる印象」ではありますが、コンピュータを使って変化させる顔によって、見る側が受ける印象は大きく変わります。
輪郭を縦に伸ばしたり横に伸ばしたりして比率を変えたり、眉の大きさ長さ、角度を変えたり、眉と口の配置、大きさを変えることでかなり印象が違いました。
ヨーロッパで研究されていた、形状心理を人相術や人相学と結びつける(形状と性格の関連性)分析は、まさにこの「単なる印象」で、彼らにこのシステムがあれば、もっと研究がやりやすかったことでしょう。
現在では、顔相による性格判断は科学的根拠のないものとされていますが「印象」=「顔によって他者の性格を判断する」というのを、誰もが持っていることは否定できないと思います。

コンピュータで作った顔だけを見て感じたことを書きますが、
「眉を寄せて眉尻を上げると怒った顔になる。」
「鼻の付け根を高くして眉間にまで持っていくと眉間にシワが出来たように見える。」「眉と目の間を狭くして目と目の間を狭くすると神経質に見える。」
「眉尻を下がり気味にすると頼りなさそうに見える。」
「眉と目と口を顔の中央から大きく外を広げ輪郭の周辺に持ってくると(更に眉尻を下げる)と間抜け顔に見える。」
「眉間が極端に広い、眉と目の間が極端に広い、鼻と口の間(人中)が極端に広いのは間抜け顔に見える。」
ということでした。


それにしても、「顔部品だけを強調した場合」「形状と配置の強調を統合した場合」「口の大きさ唇の厚さ開き、角度を変える」など強調も数値化してできるのには驚きました。

講演後には、似顔絵描きの南さん達の質問を受け、「シワや頬骨についても取り入れる」可能性や、「顔をキツネ顔やタヌキ顔に変化させることも、キツネ顔やタヌキ顔の特徴を数値化するとできる。」ことなど今後の可能性も広がりました。
また、似顔絵を似せるには、色の特徴も大きな要素なので、肌色(顔の色)を変えること(少し赤が入ってピンクがかったり、日焼けしているように褐色になったり)が出来ればいいという意見が出るなど非常に盛り上がりました。

観相家としましては、顔全体の色だけでなく、顔の部分部分の色や艶もコンピュータで表現できれば、コンピュータで作成した似顔絵での顔相鑑定が可能になりますので、これからもこの研究に期待したいと思います。


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