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日本顔学会第13回公開シンポジウム

2004年3月15日(月)
3月6日に開催された日本顔学会第13回公開シンポジウム(シンポジウム顔)に参加してきました。
ここ2年間はメイクを中心とした内容だったのですが、今年は『顔をうつす・うつされる』という写真をテーマとした内容でした。
※赤字が私の言葉です。

【近づく顔、遠ざかる顔】では、立教大学大学院教授の北山晴一先生から「なぜ、人間は身体のイメージに執着するのか?」の理由として「自己の身体イメージは他者(外部)を介してはじめて獲得されるという宿命。」から「身体イメージの追求=見られることの不安=いかに見せるかの努力」という説明がなされた。
また、写真に撮られることについては、日本人は外国人と比較して顔写真をよく撮る、撮られる(日本人の場合は顔の写真を撮ることが日常茶飯事)ということ。
最近多くなってきたカメラ付き携帯電話での撮影に対し「ケータイで撮られるのはの通常のカメラで撮られるより違和感がある。」「写真は人格権が強く、勝手に写真を撮られるということは盗られる(撮る=盗る)ということであるということ。」ということが語られた。
私自信も夜お酒を飲む店で、勝手に写真を撮られた(盗られた)経験があるのですが、日本人の写真に対するルール、マナーについては社会的な問題であり、肖像権といったことも含めて今後考えていかなくてはならないと思います。またこういったことが平気で行われるのは、写真週刊誌の影響もあると強く感じています。

【実用!いい顔のとり方、とられ方】では、日本写真文化協会・文化部長の荻島孝之先生から写真撮影に関する具体的な説明があった。
「片方の腕に力が入るスポーツをやっていた人は、片方の肩が下がる」だから、写真家(カメラマン)は「バランスが悪いので被写体の姿勢を正す」という話がありましたが、
私もこの経験をしたばかりでした。
ちょうどシンポジウム顔の4日前に、ある雑誌で使う写真を撮るためにスタジオで撮影をしたのですが「こちらの肩を上げてください」と毎回カメラマンさんに言われました。(私は左利きなので、特にこの傾向が強いのでしょう)
顔写真を撮る場合、まず、その人の顔を分析することから始め「左右どちらの目が大きいか?」などをチェックしてから撮影に入ること。
「レンズから近いと大きく見え、遠いと小さく見える」という遠近法を利用して、(小さいほうの目をレンズに近づけるなどして)撮るとバランスよく撮れるそうです。
ライティングに関しては、「ちょっと上からライトを当てると、アゴの下、鼻の下(鼻と唇のちょうど中間に影が出来る(バタフライライティング)に影が出来る」ので美しく撮れるという話だった。
この話を聞いて、私自身のスタジオ撮影で「なぜ斜め上からのライティングが多かったか?」という疑問が解けた。※ただ私の場合、あまり上から光を当てると実際より余計に額のハゲ上がりが目立つのが問題ですが(笑)
他にも、輪郭を卵形に見せるようにする(写真業界では、卵形が理想的な顔立ちとされているとのこと)ことや、影を多くして(ライトを横から当てて)顔を小さく見せる手法の説明もあった。
また「ポートレートは目が大事。目は口ほどにものを言う。黒目のどの部分に光が入るようにするか。」という話もあったのですが、
これについては絵(イラスト)を描く場合も同じことが言えます。1ヶ月ほど前に、友人のラジカル鈴木さんのアトリエで、ある映画スターのイラストを見ながら、どこから光が入れば、黒目のどこが光で白くなるのかや、影の出来方など、絵を描く上で基本的でとても大事なことを解説してもらいました。

【女性と撮る、心を写す】では、写真家の長友健二先生と日本顔学会理事で顔・化粧文化研究所代表の村澤博人先生のテーブルトークの予定でしたが、村澤先生が急病のため、写真家で日本顔学会理事の池田陽子先生が代わりを務めました。
写真から見た美人の変遷という話の中では、まだ松嶋菜々子さんが17歳の高校生の時に旭化成のキャンペーンガールに選ばれた時の話で「作り笑顔じゃない、本物の笑顔をしていた」というのが印象に残りました。
また、感覚的なもので理論的には説明が難しい「人格、中身が写真に出てくる」ということもおっしゃっていたのですが、
私も「人格、中身が顔に出る」と言っている人間なので、この感覚的なものをどう理論化していけば良いのかを改めて考えさせられました。

【撮られる側の心理】では、池田先生が司会で、長友先生、女優の蜷川有紀さん、日本顔学会理事の大坊郁夫先生、同じく原島博先生のラウンドトーク。
ここでは写真の撮られ方として、蜷川さんの「個性がないものを宣伝材料写真に使う。主婦でも会社員でもどんな役でも選んでもらえるように。」や、長友先生の「被写体自身のイメージが凝り固まった写真は良くない。」「被写体が自分で気に入った表情、顔の写真は魅力的でない場合が多いので選ばない」と言っていたのが印象的でした。
様々なイメージが出来るように個性がない写真を使うのであれば、ある特定のイメージを持たせるにはそのイメージに合った個性的な写真を使えば良いということなので、今後は雑誌等で使われる私自身の写真でイメチェンしてみようと思っています。
自分が思っている魅力的な顔と、他者が思う魅力的な顔の違いに関しては、そのどちらも好きになるということですね。一番いいのは。
「自分にはこういう魅力がある」というのと「自分では魅力的じゃない、イヤだと思っていた部分も人から見たら魅力的なんだから、これでいいんだ」と。
「自分の顔が人からはどう見られているか?」一番簡単な方法は似顔絵を描いてもらうことです。
今まではシークレットページにしていたのですが特別に公開しましょう。

私の顔は一つですが、見る人によってこれだけ顔の見え方が違ってくるのです。

【20世紀末日本を彩る103人の肖像とメッセージ】では、写真家の蛭田有一先生が、人物写真を撮る場合の必要な3つの要素として「被写体の全体像を把握する」「被写体のイメージを構築する※想像力」「被写体をリードする」を挙げられていました。
また「日本の若者の顔は他の国の若者の顔と比べて薄っぺらい。覇気がない。」「中年以上の人も、人格が感じれれない顔がある」とも語られ、長友先生と同じで「人格、中身が顔(写真)に出る」という感覚的な話をされたのが印象的でした。

【参加者持参の「顔」写真コンテスト】では、私も写真を持参して参加しました。
欠席となった審査員の村澤先生の賞の代わりに、会場の拍手で決める会場審査賞となった部門があり、そこでは2番目くらいに拍手が多かったのですが、圧倒的に1位の人がいて残念ながら選ばれませんでした。

ティーパーティーでは、似顔絵アーティストの小河原智子さんと、私のホームページに似顔絵を投稿してくれている似顔絵アーティストの方の話などをしました。また小河原さん、東京大学の中洲俊信さん(似顔絵アーティストでもある)とは
「10年後は『似顔絵を描く・描かれる』というテーマで出来ればいいね。」なんていう話もして盛り上がりました。
他にもお話したい方はたくさんいらっしゃったのですが、今回はこのあと別の予定が入っておりましたので、途中で失礼させていただきました。


バックナンバー
「笑い」と「セルフプロデュース」と「スペシャルパーツ」と
「今週の顔」2003年の総括
日本顔学会セミナー『人間が顔を認知するメカニズム』
「政治家の顔」「マイケル・ジャクソンの顔」
「フォーラム顔学2003」第8回日本顔学会大会
第10回「顔と心と体」公開講座『外観といじめ』
「今週の顔」2002年12月の総括他
日本顔学会セミナー『大顔展』ヴィジュアルとキャラクターの出来るまで
日本顔学会第12回公開シンポジウム
2003年の幸運顔を占う
「今週の顔」2002年の総括

日本顔学会セミナー『コンピュータは似顔絵描きになれるか』
2002年「秋のメディア活動」
「今週の顔」2001年12月の総括
日本顔学会セミナー『顔の魅力づくり』
クリエイター今井宏明さんのこと
嘉祥流観相学会導主、藤木相元先生にお会いしました。
日本顔学会第11回公開シンポジウム
2002年の『好かれ顔』
2002年の運がいい顔&「ザ!世界仰天ニュース」
「今週の顔」2001年の総括
日本顔学会セミナー『健康的にやせるには…』
「フォーラム顔学2001」第6回日本顔学会大会
「今週の顔」2000年12月の総括
「王様のお夜食」と「開運!なんでも鑑定団」
日本顔学会セミナー『顔表情のロボットによる表出と自動認識の追求と応用』
「リハビリメイク」と「OLヴィジュアル系」
日本顔学会セミナー〜顔と歯科〜

悪人相をレッサーパンダ男を元に検証する。
日本顔学会第10回公開シンポジウム
「今週の顔」2000年の総括
フェイシャルセラピストかづきれいこさんの講演他

日本顔学会第9回公開シンポジウム他


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