2011年6月27日(月)
6月18日(土)は第21回特定非営利活動法人日本顎変形症学会 市民公開講座『あごのかたちと現代社会』へ行ってきました。
会場は神保町の学術総合センター(一ツ橋講堂)。
出版社や大学、書店が多い文化的な街なので空気を吸うだけで落ち着きます。
【縄文人のあごをとりもどせ】
【なぜいま小顔ブームなのか?‐コンピュータ合成によって探る未来顔の秘密‐】
【顎変形症の診断と治療】
という内容で、日本顔学会会長の原島博先生と副会長の馬場悠男先生の講演があるということで参加させていただきました。
小顔なんかクソ食らえ!
未来顔になってたまるか!
っていうのと
縄文人のあごをとりもどせっていうのも微妙に違うんですね。
私の考えでは。
顎は食事で鍛えなきゃならないけど、だからといって肉にかぶりついてちゃダメなんです。
我々が食べなければならない硬い食べもの。
それは、肉でもないスルメでもない。
フランスパンでもない。
でもわからない。
ヒントが掴めるか?
印象に残ったことをメモします。
顎は毎日使っている大事な組織。
口を動かす、顔を作る大事な組織ですね。
歯科矯正で治せるにこしたことはないが、治せない場合は治療が必要。
国立科学博物館名誉研究員 馬場悠男先生
【縄文人のあごをとりもどせ】
縄文人の頭骨は、
下顎枝が幅広く咀嚼筋が発達。
顎のエラが張っている。
歯並びが良く口元が締まる。
歯槽骨が厚くしっかりしている。
縄文人と弥生人の顔の違い。
縄文人=くっきり顔
四角くてカチッと。
眼窩(がんか)の上側が直線的。
歯が小さい。
縄文人のDNAとアイヌの人のDNAは似ている。
渡来系弥生人=のっぺり顔
面長で立体感がない。(平坦で長方形、面長)
(目の位置が上寄り※私の印象)
眼窩(がんか)が丸い。
大きく複雑な歯。ショベル型切歯が多い。
シベリアの現代北方アジア人の頭骨と似ている。
(低い鼻、平らな頬、上顎洞が拡大、皮下脂肪が厚い、まぶたが一重、唇が薄く小さい)
東南アジア人の顔は世界中でも普通に見られる顔。
北東アジア人の顔は他では見られない顔。
弥生人は、引目鉤鼻。
江戸時代の殿様は柔らかいものを食べていた。
どんどん顔の奥行きがなくなってきている。
浮世絵の美人は瓜実顔(うりざねがお)。
霜降り肉は柔らかいから顔にはよくない。
(硬い赤身の肉がいい)
最近の若い女性は睡眠時無呼吸症が多い。
西洋のサンドウィッチは日本のような柔らかい食パンを使っていない。
フランスパンなど硬いパンを使っている。
硬くて大きな食べ物を手づかみで食べるといい。
取材や個人のお客さまから「顔を良くする食事は?」と聞かれた時に私は「咀嚼のためには、小魚を頭から骨までバリバリ食べる(カニやエビも可能な限り甲羅も食べる)、アーモンド、雑穀をよく噛んで食べる。」と答えています。
単に咀嚼をよくするだけではなく、歯並びやしっかりした顎のためには、馬場先生がおっしゃる『硬くて大きな食べ物を手づかみで食べるといい。』がキーポイント。
「肉を食べると戦闘的になる」「肉を食べると怒りっぽくなる」「仏道に入った人だけでなく、これからの人間はみな精進料理に近いものを食べる時代」と私は考えています。
肉を手づかみで食べると原始に戻るだけですからね・・・
「りんごの丸かじりが1番いい」というのが私の今のところの結論です。
東京大学名誉教授 原島博先生
【なぜいま小顔ブームなのか?‐コンピュータ合成によって探る未来顔の秘密‐】
「小顔」との出会い
職業別の平均顔はウケがいい。(初めて見る方も多く)写真が出るたびに声が挙がっていました。
ミス日本の平均顔は顔の下3分の1が小さいというデータ。
鼻先からアゴまでが短い。
小顔ブーム。
もともとかなり前からあった小顔志向。
八頭身美人。
顔痩せ。
1992年9月の女性誌『anan』の特集。
「アンアン読者の三大願望を、化粧技術でかなえます。」
・小さな顔
・大人の表情
・きれいな肌
1997年の『AERA(アエラ)』
「でかい顔は死ぬっきゃない」
なぜ小顔か?
(1)若い顔志向
・若者ほど顔が小さく見える
・身長が高い
・肉がついていない
・重力に負けていない(逆三角形)
※年配者は肉付きがよく、下ぶくれ。
(2)西洋志向
・西洋人は相対的に身長が高い→顔が小さく見える
・洋服は西洋人向け→顔が小さいほうが似合う
・ファッションモデルは小顔→憧れる
顔は下半分が小さいほうが可愛らしく見える。
(未熟な可愛い顔を好む)
小顔ブームは小さい顔ではなく、可愛い顔ブーム。
男の顔はどうか?
男も小顔
中性顔
男の小顔は動物学的におかしい。
本来オスは顔を大きく見せるもの。
貫禄、威圧感のために。
ライオンのタテガミがいい例。
エイブラハム・リンカーンも貫禄をもたせるために顔の周りに大きなヒゲをたくわえた。
サ行男がモテる時代
サ サラサラヘア←→ゴワゴワヘア
シ ショーユ顔←→ソース顔
ス スベスベヘア←→濃いヒゲ
セ セイケツ←→フケツ
ソ ソウシン(痩身)←→デブ
出た!原島先生の言葉遊び!お見事です!
男の中性化は平和な時代の象徴なのかも?
男らしさ
かつては「腕力」 いまは「優しさ」
※本来「優しい」は女性の形容詞
「戦後の高校生の平均顔」→「最近の高校生の顔の平均顔」
の変化を元に「100年後の高校生の顔」をCGで作ると、
未来顔は頭が大きく顎が細く小さい超逆三角形の顔になる。
縄文顔→現代人の顔→未来顔とどんどん顎が小さくなっている(小さくなる予測になる)
細く小さい顎は睡眠時無呼吸症になりやすい。
この予測通りにならないようにならないようにしたい。
顔学の第一人者、原島先生の分析力は相変わらず素晴らしいです。
男の中性化は平和な時代の象徴か・・・
「争いがない」のはいいことなんですが、それと「生命力」を両立させるには???
「答えは正しい食事」だと思っています。
東京医科歯科大学教授 天笠光雄先生
【顎変形症の診断と治療】
世界三大美女
クレオパトラ
楊貴妃
ヘレナ(日本では小野小町)
モナリザは左目頭に黄色腫がある。
と美人の話から
2001年度ミス日本グランプリ、野手るりこさんの写真が!
野手るりこさん(現代の美人代表)とは2001年に『開運!なんでも鑑定団』でご一緒させていただいたのですが、
野手さんは歴代ミス日本グランプリの中でも藤原紀香さんに匹敵する美人だと思います。
(受賞当時のお顔だと歴代ナンバーワンではないでしょうか)
明眸皓歯(めいぼうこうし)
美人のたとえである、美しく澄んだ瞳と白い歯。
顎変形症
・顎が曲がっている
・受け口、顎が小さい
・噛めない
・話しにくい
・
顎変形症治療のゴール。
咬み合わせの改善
歯並びの改善
見た目の改善
・・・・・とあり、
「患者さんが笑顔になってくれる」というのがゴール。
私は基本的に安易な美容整形には反対の立場をとってますが「歯列矯正は絶対にやってください。」と常々言っています。
歯科矯正では治せない顎変形症。
この治療によって、噛み合わせがよくなり、歯並びがよくなり、顔がよくなり、笑顔の人が多くなる。
この素晴らしい医療技術をもっと多くの人に知ってほしいです。