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公開シンポジウム「顔と文化」シリーズ(第1回)「進化し続ける顔」

2006年12月4日(月)
11月11日に開催された、財団法人 花王芸術・科学財団主催、日本顔学会共催の、公開シンポジウム「顔と文化」シリーズ(第1回)「進化し続ける顔」に参加しました。
毎年開催されていた日本顔学会の公開シンポジウムが2005年以降お休みしているということで、今回は待ちに待ったシンポジウムとなりました。
日本顔学会の会員以外の方も多く参加するということもあって、原島博先生と馬場悠男先生は、一般的に興味を引きそうな話をされていました。また、時間が短かったこともあり、顔学の基本を駆け足で振る返る感じでしたが、参考になる話がギッシリと詰まっていました。
※赤字が私の言葉です。

基調講演『進化し続ける顔』
日本顔学会会長、東京大学工学部電子情報工学科教授 原島博先生
・顔訓13箇条の中で一番大切なので第1条の「自分の顔を好きになろう」
「金持ちになる顔」「幸せになる顔」がどういう顔かというのは一概には言えない。
しかし「金持ちにならない顔」「幸せにならない顔」というのはある。それは貧乏神がついていそうな顔。
オーラのある顔(光っている顔)というのはあるような気がする。
・顔つきが変わるということは顔学の本質。
顔は親からの授かりものではあるが、その顔は変わる。
変えられないものに優劣をつけると差別になるが、顔は違う。
大宅壮一というジャーナリストが「男の顔は履歴書」と言ったことは有名。
・顔の話は仲良くなりやすい。いっぽう、注意しないと相手を傷つけることになる。
・顔は環境によって変わる。気持ちの持ち方で変わる。
顔は動物的な進化によって変わってきた。人間学的にも変わってきた。いまも変わっている。これからも変わるかもしれない。
他にも顔はいろいろ変わる。もちろん、年によっても変わる。
原島先生自身は30代と今とでは、目尻が下がる、額が広くなる、法令が下向きに口を囲むように変わった。
・顔は職業によって変わる。
パッと見ただけでその顔がスポーツ選手(K-1、プロレス、野球、サッカー)、スチュワーデス(客室乗務員)、アナウンサーの平均顔というのがわかる!
なぜ、職業によって顔が違うのか?(職場の環境によって、気の持ちようによって変わるのか?)
・アニメの顔も変化している。
ミッキーマウスは表情が出てきた=昔は黒目だけだが今は白目もあることによって感情の変化がわかりやすい。
ハローキティは73年から比べると赤ん坊の顔になった=親が子供に与えるキャラクターから女子中高生や大人の女性が自分で買うキャラクターになった。
アニメ顔の変化には法則がある。大きく、丸く、シンプルに。
その変化には意味がある。=身近な存在になると印象の中で顔が大きく可愛くなる。
・結論
顔は変わる。
遺伝による進化だけでなく環境や気持ち、見る人と見られる人の関係によって変わる!
指名手配の顔、悪い人だと思って見るから悪く見える。=顔はイメージの重ね焼き。
イメージがよければよく見える。悪ければ悪く見える。
顔をよく見せるためにも心がけが大事。心を良くすること。
・今日の結論。
顔は進化し続ける。
顔は変わるから、今からでも「いい顔」になることができる。
※観相家としては「原島先生自身は30代と今とでは、目尻が下がる、額が広くなる、法令が下向きに口を囲むように変わった。」という話が興味深かったです。


講演1『顔からさぐる私たちの由来』〜好きでこういう顔をしているわけではない〜
国立科学博物館人類研究部 部長 、東京大学大学院理学系研究科教授 馬場悠男先生
ヒゲはコンプレックスの表れ。リンカーンもコンプレックスからヒゲを伸ばしていた。
・食う顔
脳と目は近い。脳が出張して目=見るという感覚は(聴覚、臭覚、味覚と比べて)特殊。
・「見せたい顔」
犬歯→(相手を威嚇するため)
・「見られたくない顔」
白目を隠す→(表情をさとられないため)
サーベルタイガーは人間の白目にあたる部分が黒で黒目にあたる部分が金色。これは視線の方向を獲物にわからないようにするため。
・霊長類・・・臭覚が退化し「嗅ぐ顔」が目立たなくなる。
・人間・・・大脳が著しく拡大「考える顔」に。
人間は表情が見えるように顔を覆っている毛がなくなる。白目が目立つ。眉が、唇が目立つ。→表情がわかりやすくなる。
・ホモサピエンスは歯が退化し、食う顔が目立たなくなる。
・顔から探る日本人の由来
縄文人は四角・眉骨が出る。弥生人は丸く縦長。
南は立体的で濃い。
歯…北は大きく複雑、南は小さく単純。
北方アジア(シベリア)の人の顔は弥生に似ている。
平らな顔。顎がしっかり歯が大きく鼻が低い。胴長、短い手足(末端が短い。ずんぐり)→これらは世界的に見て北方アジアのみの特種。
アイヌ、琉球は縄文の直系。
江戸時代は弥生系のうりざね顔が主流で、鬼の顔は縄文の顔で表現されたりしたが、明治以降は欧米文化の影響で縄文の復権となった。
・未来人は歯が32本から20本になるのでは?
※弥生顔の特徴は、世界的に見てそのルーツである北方アジアにしか見られないというのは非常に興味深いですね。東洋の文化にも大きな影響があるのでしょう。

『男と女が顔から読みとるもの』
総合研究大学院大学 教授長谷川眞理子先生
サルの顔からヒトの顔へ−男と女が顔の中に見るもの−
・霊長類(オランウータン、ゴリラ、ヒト、チンパンジー)は視覚の動物。
大きな両目が正面を向いている、色彩美しい、顔に注目する神経細胞がある、表情が豊か、顔周りの形態、色彩が種によってさまざま。
性的シグナルは、さまざま。(オランウータンのオスは肉が張り出す、マウンテンゴリラのオスは頭が尖るなど)髪がある方が好まれる種もあれば、頭に毛が全くない方が好まれる種もある。
・ヒト(現代人)の顔への進化。
頭が大きくなる、オスの犬歯が小さくなる、顔が小さく退縮、額が引っ込む、鼻が高く、唇が厚く赤く、眼窩上隆起が小さくなる、下顎が小さく、オトガイが前方に出る。
〜顔の魅力についてのこれまでの研究例〜
・対称顔はきれい(魅力的)と言われているが…
赤ん坊も対称顔をよく見る(好む)。
平均顔は対称だが、平均顔が最も魅力的な顔ではない。
男女の顔の違いは性ホルモンによって作られる。(女性は唇ぽっちゃり)
人は顔からその人の性格を推測する。人は自分が好む性格が表れていると思う顔を魅力的と思う。
30才以上の母から生まれた息子、30才以上の父親から生まれた娘は、それぞれ30才以下の親から生まれた子より「老け顔」を魅力と感じる。
女性の性周期によって、もっとも魅力的と感じる男性の顔が変化する。(排卵期→男っぽい顔を好む傾向に。子供が産まれる時→フェミニンな顔を好む傾向に。)
※「霊長類の性的シグナルは、さまざま。」というのは面白いですね。人間は生物学、動物学的には1種ですが、性的シグナルは、さまざまありそうです。

『ロボットの顔』
大阪大学大学院工学研究科 知能・機能創成工学専攻 教授 石黒浩先生
〜人と相互作用するロボットからアンドロイドまで〜
ロボット顔の進化。人は対話相手を擬人化。
人と関わるロボットにおいて重要問題。
アンドロイド=人間と酷似したロボット。
3〜4才は人間らしさに敏感(不気味なアンドロイド=動きがスムーズじゃない)
ロボットを作ることで人を知る。
ジェミノイドは哲学的問題を研究する道具(ロボットを通して人間を知る)
※子供のころにアニメで見たアンドロイドの存在がまさに現実のものになってきていると実感しました。「ロボットの研究を通して人間を知る」という言葉にはドキリとしました。工学系の先生というと固いイメージがありますが、 石黒先生はユーモアに富んだ話し方でとっても人間らしい方でした。

『パネルディスカッション』
人間の顔は必然でこういう顔になった。
社会の中でアイデンティティ=顔が重要。
自分の子供は、自分の遺伝子が半分。ある意味、鏡の自分を見ている。(石黒先生)
配偶者選択で、男は見かけを見る、女はいいDNAを見る。(馬場先生)
配偶者選択のポイントとして次の3つがある(長谷川先生)
1.性格と相性がいいか?
2.趣味、好きなものが一緒
3.信条(宗教)
女性は18歳〜35歳の(もっとも)子供の産める年齢に性的魅力を出す。
パッと見でいいと思う「3秒美人」もあれば、長年連れ添っていいと思う「30年美人」もある。
人間の内面は顔に出る。(原島先生)
顔の印象と性格。人間は瞬間で相手を判断しなければならないから顔から見抜くようになった。
3分で相手を見抜く、わかる。静止画じゃなくて動く話す表情から相手を判断する。
※原島先生が石黒先生の顔を犯罪者の顔と冗談で言うのは、まさに「石黒先生はユーモアのわかる人」ということが石黒先生の顔に表れているからでしょう。


バックナンバー
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