2006年7月10日(月)
5月9日に行われた、第30回 日本顔学会イブニングセミナー『小河原智子の「ポジション式」似顔絵教室』に参加しました。
講師は星の子プロダクションの似顔絵作家、小河原智子さん。
このホームページの「今週の顔」では毎週いろんな似顔絵アーティストの方から似顔絵を提供していただいており、写真以上に似た似顔絵を見るにつけ「なぜ似顔絵は似ると感じるのだろう?」「似させるコツ?」と常々興味を持っていたのでとても楽しみにしていました。
※赤字が私の言葉です。
似顔絵を似させるポイントとして、パーツの配置の「ポジション」をとらえることが大事で“「ポジション」が合えばそれだけで簡単に似た似顔絵を描くことができる”「ポジション式」似顔絵についての説明があった。
描き方の流れはこうだ。
1.似させるためにはポジションが重要
パーツの位置を見極める(特に目のポジショニングを強調させる)
※パーツがどこに集まっているかをぼんやり眺める。
2.ポジションの基本パターン
上型(パーツが上のほうにある)、下型(パーツが下のほうにある)、内型(パーツが真ん中に集中)、外型(パーツが輪郭近くに拡散)、平均型(パーツ同士の距離が平均的)の5パターンのうち、その人がどのパターンであるかを見極める。
3.スケールの取り方と描く手順
(1)鉛筆で輪郭とヘアスタイル、(2)輪郭を分割、(3)もう一度分割、(4)目鼻のポジションを決める、(5)輪郭からマーカーを入れる、(6)目鼻もマーカーを入れる、(7)消しゴムで消す、(8)色を付ける
次に、5つに分類された各パターンのそれぞれの特徴についての説明があった。
4.各ポジションのイメージと分類の条件
上型の5条件(顔の形が長い、おでこが狭い、鼻が長い、顎が長い、鼻の下が長い)
「大人っぽい」「地味」「まじめそう」「古風」
下型の5条件(顔の形が短い、おでこが広い、目の位置が顔の真ん中あたり、顎が短い、鼻の下が短い)
「子供っぽい」「かわいい」「若々しい」「したしみやすい」
内型の5条件(目と目の間が狭い、おでこが広い、顎が長い、鼻の下が短い、輪郭近くにパーツがない)
「活発」「知的」「現実的」「派手」「かっこいい」
外型の5条件(目と目が離れている、顔の幅が広い、顎が短い、鼻の下が長い、パーツが輪郭に近い)
「おおらか」「おっとり」「ばんやり」「温和」「のんびり」
平均型の5条件(顔の形は大きくも小さくもなく、目と目の間には目一個くらいはいる、鼻の下に唇ひとつくらいの長さ、鼻は長からず短からず、パーツと輪郭はほどよく離れている)
「しっかりした」「安定した」「落ち着いた」
※ちなみにSMAPは、上型→木村拓哉、下型→中居正広、内型→稲垣吾郎、外型→香取慎吾、平均型→草なぎ剛と見事に5人とも違うポジションで5パターンポジションの顔が全部揃っているとのこと。
「上型」「下型」「内型」「外型」「平均型」の輪郭やパーツの長さや位置のポイントと、印象(雰囲気)の繋がりは古くからの観相学と似ていて面白かったです。
そして、周りの人や過去に仕事等で接する機会が多かった人の顔を思い出し「この5つのどのパターンの顔をしていたか?」当てはめてみると、なるほど、「上型」は大人。「下型」は親しみやすい。内型」は知的。「外型」はおっとり。「平均型」は落ち着いた。という風に、それぞれのポジションの顔の人は、実際に長く付き合っても印象と同じ通りの人でした。
セミナー参加者の中から5人が、福笑いのように、用意されたパーツを輪郭が描かれた紙に、ポジションを考慮して配置して、小泉純一郎首相、えなりかずきさん、黒木瞳さん、長州小力さん、研ナオコさんの5名の顔を作る。
ちなみに「各ポジションのイメージと分類の条件」の資料によると、
黒木瞳さんは「平均型」
えなりかずきさんは「下型」
ガッツ石松さんは「外型」
青木さやかさんは「上型」
谷亮子さんは「下型」
ペ・ヨンジュンさんは「平均型」
宮里藍さんは「内型」
イチローさんは「内型」
小泉首相は「上型」
だった。
また「黒木瞳さん、ペ・ヨンジュンさんが「平均型」であることから分かるように、美男美女はポジションが一定でパーツをどういじるかが難しい。」ということだった。
次に、セミナー参加者が、ポジション式の手法を使って似顔絵を描いてみる。(題材となったのは原島先生の顔。)
まず、原島先生の写真を見ながら何型なのかポジションを見極めて、うっすらと輪郭と髪が印刷された紙に、棒3本(左右の眉と口)、丸(黒目)、三角(鼻)を配置する。
あとは上で紹介している手順通りだ。
私が描いた似顔絵はコレ。
その他、似顔絵について、「表情がある人は描きやすい。」「本人が気に入ってるであろうパーツ(小物や部位)を強調して描くのがポイント。」「漫画家が描く漫画のキャラクターと同じで描く人に似る。」といった話が出た。
最後に小河原さんが描いた原島先生の似顔絵が紹介されたのだが、サイケデリックな原島先生の似顔絵や、顔学会にちなんで「カ」と「オ」の文字を使った原島先生の似顔絵は「さすがプロ中のプロ」といった作品だった。
さて、私が描いた上の原島先生の似顔絵。「漫画家が描く漫画のキャラクターと同じで描く人に似る。」ではないが、実はわざと私の顔に似せて描いてみたのだ。
というのも、以前から、原島先生と私のパーツは眉以外、額も含めて似ていると思ってたから。
だから、ポジションに関しては「ポジション式」により決定したのだが、目鼻口のパーツの形は原島先生と私の中間の感じにしてみた。
なので、目鼻口のパーツは実際の原島先生のものより少し私に似た顔になっている。
目と唇は私と共通のスケベっぽさを出し、輪郭とアゴは私にはない原島先生の厳格さを強調する感じで描いてみた。
セミナー終了後、小河原さんにこの話をしていたところ、それを聞いていた原島先生が「だってそっちはプロじゃな〜い!」と私に言ったのだが、私は似顔絵を描いてもらうプロであって、似顔絵を描くプロではありませんので(^_^;)
いつもとは雰囲気の違う日本顔学会イブニングセミナーでしたが、このようにとても楽しいひとときを過ごすことが出来ました。
似顔絵をいろんな人に描いてもらうのも楽しいですし、このホームページに協力していただいている似顔絵アーティストの方の似顔絵を見るのも楽しいですが、自分で似顔絵を描くことも楽しいというのがよくわかった一日でした。
小河原さんは「似顔絵は描かなくても練習できる!」「電車の中などで前に座った人のポジションは、何型かなあ?と分類してみるのがとてもよい練習になりますので試してみてください。」と資料に書いていましたが、顔に興味を持つ、顔を覚えるためにも、パーツの特徴やパーツの位置関係だけでなく、これからはポジションについても見ていきたいと思いました。
「ポジション式」似顔絵については本にもなっていますので、興味を持たれた方はぜひコチラをご覧になってみてください。
小河原智子のだれでもカンタン!「ポジション式」似顔絵入門
Nigaoe Tomoko Club