toggle
2019-07-29

第3回 日本顔学会関西支部研究会「顔学の新たな可能性を探る」

7月6日(土)は第3回 日本顔学会関西支部研究会「顔学の新たな可能性を探る」に参加しました。

日本顔学会関西支部研究会は、

第1回日本顔学会関西支部準備委員会研究会@立命館大学朱雀キャンパス

第2回 日本顔学会 関⻄支部研究会 「顔学会が関⻄にやってくる!」|『顔は何を表象するのか?-メディアとしての顔-』『顔・心・化粧』

と参加して、今回で3回連続の参加です。

会場は過去2回の立命館大学朱雀キャンパスではなく、兵庫県西宮市にある武庫川女子大学上甲子園キャンパスの甲子園会館。

 

美しい建物。

それもそのはず、甲子園会館は、フランク・ロイド・ライトの愛弟子遠藤新の設計により、1930年に甲子園ホテルとして竣工。その後、武庫川学院の教育施設に。

 

トマトに顔を描いたポスターがかわいい。

館内に入り受付を済ませ、席を探す。

右の前から2つめのテーブルの右側に空席があったのでそこに荷物を置いて席を確保。

14時開始で、その後休憩まで1時間40分あるので先にトイレへ。

と思っていると通路で原島先生とご対面。

「先生に顔をほめられたことをブログに書かせていただきました」

と報告すると、

「見たよ。半分冗談だったんだけどね」

という会話から、またまた「いい顔」になるための答えが出てきたので次のブログで紹介します。

トイレから戻ってきて館内の撮影。13:53分。見た感じ満席です。

確保していた席に行くと、なんと隣に原島先生!

原島先生と並んでというのはさすがに恐縮します。

ちょうどトイレから館内に戻って時に、受付で岸野先生(「フォーラム顔学 2017」大会長だった関⻄学院大学の岸野文郎先生)をお見かけし、ご挨拶をしたばかりだったので、ここに岸野先生に来ていただこうと、自分は1つ前の最前列に行きました。

では、この日の講演を振り返ります。

80周年を迎えた武庫川女子大学

武庫川女子大学 薬学部 学部長
薬学科 循環制御学研究室 教授 篠塚和正 先生

本研究会は、武庫川学院創設80周年記念事業の一環として開催。
ということで、まずは、武庫川女子大学のお話。

一生を描ききる女性力を

MUKOJO ACTION

目の前に講演者用と時間表示用のパソコンが3台!

阪神鳴尾駅東側の高架下空間に、武庫女ステーションキャンパスが開設されるお話。

最近は駅前留学ならぬ、通学便利な、駅前大学、駅上大学が増えましたが、今度は駅下大学です。

甲子園会館について

照明が障子。洋の中に和を取り入れている。

「玉」は、水滴、しずくのデザイン。

武庫川女子大学 東京センター
の紹介でピアノの形のようなビルが!

見た瞬間「!」

私、このビルで働いていたのです!

新橋駅前の旧本社のリクルートG8ビルにあった「株式会社リクルート販売部東京統括部銀座営業所」から、組織変更で「株式会社リクルートマーケティング局販売促進部東京営業所、一課、二課」がこちらの東京駅八重洲口駅前の新槇町ビルに1988年7月に移ってきたのでした。

 

武庫川女子大学 東京センターは新槇町ビル14階でしたが、私がいたリクルート販売促進部東京営業所は5階か7階くらいに入っていたと思います。

懐かしくて昔の写真を探し出しましたので、次の次のブログで書きます。

以下、赤の字が私の言葉です。

顔に作用する薬のお話

同じく、武庫川女子大学 薬学部 学部長の篠塚和正 先生からお話。

 

健康サポートに必要な専門知識
休養(睡眠)、運動、食事(栄養)、医薬品、市販薬、健康食品、化粧品

健康(身体と心の)

肉体的サポート + 精神的サポート +社会的サポート

と、身体機能だけでなく、
楽しみ・生きがい、人との交流・社会とのつながりまでが健康というお話がありました。

顔に作用するクスリ

A型ボツリヌス(毒薬)※最強の毒薬

シワ、歪みを取る。

美容整形で使われる筋肉内注射は筋肉を弛緩させる。

運動神経終末部に侵入

薬の危険性と有効性は表裏一体

という「薬」の本質を表すお話でした。

 

ホルモンから見た顔のお話

武庫川女子大学 薬学部 健康生命薬科学科 学科長
臨床病態解析学研究室 教授 森山賢治先生

最初から笑いをたくさん入れた楽しい講演でした。

ホルモンの作用
生体の恒常性の維持に有用な作用

ホルモンがすべてを決める

一次性徴
デフォルト(初期設定)は女子

男児が男子になるために二次性徴

ドミニカ共和国で性別が突然変わる不思議な現象

ホルモンの種類
心機一転するためのホルモン 甲状性ホルモン
若さと美しさを保つホルモン エストロゲン
性徴ホルモン

男性ホルモン値が高い人は人差し指よりも薬指が長くなる。

男性ホルモン値が高い人は、男女問わず、公共心が強くなり、ウソをつかなくなる。

これは面白いですね。私の観相学だと面長の輪郭や鼻と口の間が広い顔がこれに当てはまり、面長の輪郭の人は男性ホルモン値が高い傾向があるのではないでしょうか?

いっぽうで、男性ホルモンは闘争心とも関係しますし、日々の食事によって(肉食の有無など)男性ホルモン値が変わって、薬指の長さに変化があったりするのかな?とも思いました。

他にも

男性ホルモン値が高い人は、
ブランドやステータスを好む傾向がある。
自分が損をしても社会に貢献しようという気持ちになる。
不安を感じにくい“鈍感力”も強くなる。
男女問わず、思考や行動など男性的な特性を持つ。

リーダーシップ、チャレンジ精神、他人や社会に貢献しようとする気持ち、公平、公正さを求める気持ちを持つ。

とのことでした。

男女比だと、基本的に男性ホルモン値が高い男性のほうがこの傾向が強く、
男性という母集団内で男性ホルモン値が高い人と低い人では傾向に違いが出て、
女性という母集団内で男性ホルモン値が高い人と低い人でも傾向に違いが出ると。

TI性格分類(16類型性格診断)だと思考のTが男性に多く、感情のFが女性に多いのと似ているなぁという感想をもちました。

成長ホルモンは悪性のホルモンも成長させる。

男子の男性ホルモン値は
恋愛、結婚、子供の誕生などで減少

ドーピング犠牲者の話。
闘争心、筋肉を作るために男性ホルモンによって
女子選手が完全に男性化して男性の顔に。

ホルモンで女性から男性に容姿が激変した人の姿が紹介されました。
ちょっと驚きました。ここまで変わるのかと。

リクルートの営業マン時代、板橋区にある日本で唯一のIOC公認ドーピング検査機関を担当していたのでドーピングについてはそこそこ知識があったのですが。

新生児、1歳、6歳、25歳と目の位置は変わらず、アゴと頭が大きくなる。

若さを印象付ける顔面の構造

簡単にいうと赤ちゃん顔(目の位置が下で鼻が小さくアゴも小さい)
これは、イコール可愛さを印象づける顔の構造とも言えます。

新生児ほど頭(脳頭蓋)部分の比率が大きいから。

成長ホルモンは精神

成長ホルモン過剰症の話

成長しなくても成長ホルモンは必要。代謝に必要。

早寝早起きだと成長ホルモンの分泌がいい(同じ睡眠時間でも)。

成長ホルモンは、
眠り始めの時間に多く分泌される
(早寝早起きの効用)

 

人は20歳前後で成長(身長の伸び)が止まる。

成長すれば成長ホルモンは不要のはずだが、成長ホルモンは「身長を伸ばす」だけでなく「骨と筋肉を維持する」のに必要。成長したあとも代謝に必要。

お爺さんの耳はなぜ大きいの?

これも「成長ホルモンが出続けているから。60歳になっても出続けているから」というお話でした。

お爺さんの耳については、過去にどこかで書いた記憶があります。

「老人(お年寄り)の耳が大きくなるのは弾性を失って伸びるからと。」たぶん、日本顔学会の先生からうかがった学説だったと思います。

でも、耳が大きくなるのはお爺さんばかりで、お婆さんの耳は大きくなる例は見ません。

懇親会で他の方と話が盛り上がっているうちに、森山先生にお婆さんの耳について聴くのを忘れました。単に男女で差異があり、男性の高齢者のみ見られる現象なんでしょう(男性でも個人差があり)

頭部を構成する骨

顔面頭蓋脳頭蓋

このへんはシャレコーベミューミアムでしっかり学んでいます!

顔面頭蓋=五感、センサーとセンシング

脳頭蓋=CPU、中央演算装置

わかりやすい表現ですね。

日本の小顔人気は、ネオテニー(neoteny※幼形成熟)のようで可愛く見えるから。※アゴが小さいと「美人に見える」という表現をされていましたが(実際、日本人はそういう評価をする)。

 

顔認証技術は日本が世界一

目の部分は指紋と同じで一生変わらない。
左右の目の距離などのことかもしれませんが、「虹彩認証」の可能性も。

深層学習を用いた顔画像生成とその応用

日本顔学会 関西支部 支部長
立命館大学 情報理工学部 瀬尾昌孝 先生

「作ったほうの画像のほうがカメラ目線らしい顔になる」というお話が印象に残りました。

ディープラーニング(深層学習)によって、AI(人工知能)も発展していくのでしょうね。

 

ふきとり時の触感が優れたふきとり化粧水の感性評価

株式会社ナリス化粧品 浅井健史 氏

「ふきとり化粧水」というのはよく知らなかったのですが、垢を取る(=皮膚の角層を物理的に拭き取るものだそうです。

古くなった角層を取り除くことでターンオーバー(細胞の生まれ変わり)をスムーズに。

肌摩擦感、ふきとれた実感がポイントでふきとり時の触感が重要というお話でした。

 

化粧品メーカー研究員の視点で開発した2つのアプリ

日本顔学会 関西支部事務局
株式会社桃谷順天館 石黒陽平 氏

新たなメイク方法を提案するアプリ「トレミラ」。

開発のきっかけは「感動を与えられる美しさとは?」

鏡に自由にイメージを重ねられる。

メイクを助けるツールの発展形に。

新たなスキンケア習慣を提案するアプリ「肌あれ予報」

スキンケア・ヘルスケアアプリのパターンとして

1.数値で読む(肌年齢、水分量、シワレベルなど)
2.記録する
3.人と繋がる(励まし合い、口コミ)

ということでしたが、このアプリは強烈でしたね。

画像処理によって肌の荒れ具合がスーパー可視化されるような感じで。

自分で肌あれ具合を確認するためのツールですが、それを研究発表の一環として公開されて。
このアプリは上にある「数値で読む」「記録する」ためのもので、「人と繋がる(励まし合い、口コミ)」ものではないので。

男性の場合、これらのアプリを利用することはほとんどない中で、今後もこのような美容に関係するアプリがどんどん開発されていくのがわかり、興味深かったです。

 

フォーラム顔学2019の紹介

日本顔学会理事 花王株式会社 今井健雄 氏

今年は北海道情報大学(北海道江別市)で開催。

大会テーマ:顔はインタラクション

私はスケジュールの関係で不参加の予定ですが、

[ 第1日目 ] 9月14日 (土)のポスター発表 P1-01 にこちらが!

表情筋が個人識別に及ぼす影響の検討 (美容鍼による顔部美容効果での評価)
○矢山 和宏 (京都府警察、宝塚医療大学)、張 建華、大井 優紀 (宝塚医療大学)、江川 司 (京都府警察)、平田 耕一、北小路 博司、中村 辰三 (宝塚医療大学)

矢山先生と張先生はシャレコーベミュージアムの講演でいつもお世話になっています。
ついにシャレコーベファミリーが顔学会で発表です。

参加される方、楽しみにしていてくださいね。

シャレコーベミュージアム「第6回ハロウィンフェステバル」
矢山和宏氏(科学捜査官)による【白骨死体は語る】

化粧文化研究者ネットワーク第40回研究会@シャレコーベミュージアム
【頭蓋骨の解剖学】宝塚医療大学教授 張建華先生

シャレコーベミュージアムのイベント系(ミニ講演)はブログに書けていないので、どこかでまとめたいです。本当に貴重なお話が入場料だけで聞けるのです。

今年も「第8回ハロウィーンフェスティバル・第2回死者の日祭」が10月27日(日)に開催され、私もなんらかの講演と仮想コンテストの審査員をやらせていただく予定です。

 

閉会の辞

日本顔学会理事 東京大学特任教授 原島博 先生

「本来、閉会の挨拶は主催者がするもの。
それが、関西支部ではない僕がやるということは
『ほめてください』という意図でこの役を〜」と、いきなり笑いを入れてきた原島先生。

「ほめる」こと大事ですよね。

研究会の開始前に原島先生と通路でした会話とつながりました。

「ほめる」がキーワード

原島先生も私とほぼ同じ構図で写真を撮っていました。

篠塚先生の「クスリの反対がリスク」という話。

本当にわかりやすいです。

この甲子園会館に以前来たことがあるのを思い出した原島先生。

調べてみたら、

1994年11月14日に開催された
「阪神間ルネッサンスIV」というシンポジウムで話をしたとのこと。

こちらがそのページです。

武庫川女子大学 生活美学研究所 【1994年】「阪神間ルネッサンスⅣ」

2 「タレント顔とコンピュータ」
   原島  博(東京大学 教授)

この時にコーディネイターだった鷲田清一先生(大阪大学 助教授)がその後、阪大の総長をされたというお話がありました。

※「助教授」という言葉も今では「准教授」になっていますし、時の流れを感じます。

このシンポジウムが開催されたのは、顔学会ができる前で、この翌年に顔学会ができた。

来年 顔学会25周年

大人になったというより高齢化している。
若い人に入ってきてほしい。

というお話でした。

この日は懇親会でもいろんな方とお話をさせていただきましたが、原島先生ともかなり長時間お話をさせていただく貴重な機会を得ることができました。

懇親会の準備。カーテンを開けると自然光が!

冒頭でピアノの形をした新槇町ビルの話がありましたが、ここにもピアノが!

 

次のブログでは、

原島博先生の顔訓13箇条、第3条
「顔はほめられることによって美しくなる。」にプラスした

顔訓プラス
顔はほめられることによって美しくなる。顔はほめることによって美しくなる。

を書きます。

 

関連記事