『「恋顔」になりたい! 愛される顔にはルールがある』上田彩子
【7日間ブックカバーチャレンジ】6日目
『「恋顔」になりたい! 愛される顔にはルールがある』上田彩子(講談社)
2011年8月25日発行
上田さんは日本顔学会若手交流会の初代副代表だったと記憶しています。
昔の顔学会は本当に若手が少なく(研究者だと中洲俊信さんと上田彩子さんくらいで、どちらからというと若手の私が自分から話しかけられるのはこの2人とスリランカ人のチャンドラシリさんでした※似顔絵関係者を除いては。)2007〜8年くらいまで?
フランスの小児精神科医であるルイ・コルマンによって創設された「顔によって人間性、性格、パーソナリティーなどを分析する」心理学の一分野【相貌心理学】があります。
かなり観相学的です。
ヨーロッパではフェイスリーディング(顔相、観相学)は心理学の一部と言われるのは、この【相貌心理学】のことを指しています。
コルマンの著書に『相貌心理学序説―顔立ちと性格』
2005年(北大路書房)
があるのですが、学術的すぎてなかなか頭に入ってこずにギブアップ。
この本を翻訳したのが、日本における相貌心理学の第一人者、日本女子大学人間社会学部教授の須賀哲夫先生。
先生はその後、この相貌心理学をベースとした
『顔判断』
2007年 須賀哲夫(講談社)
を出版するのですが、これはこれで売れる本にしたい出版社側の意向が強く働きすぎたのか、有名人を使って9タイプに分類した分類系で、中途半端に顔占いっぽい内容に…(私がいうのもなんですが)。
そして、この須賀先生の教え子が上田彩子さん。
顔学会のフォーラム顔学でも相貌心理学をベースとした研究発表をよくされていました。
で、心理学の博士を取られたあとに出版したのがこの本『「恋顔」になりたい! 愛される顔にはルールがある』です(2011年)。
※ 変顔(へんがお)ではなく恋顔(こいがお)😄
新進の心理学者が漫画と講義で教えます❤️
とあるように漫画家でもある(というか商業出版ではこの本で漫画家デビューもした?)上田さんが、漫画を交えて顔の面白さを伝えてくれていて、とっても読みやすいです。
「顔学」の入門書として最適❣️
第5章 「あなたはポジティブな顔? ネガティブな顔?」は、顔学会でも発表した内容。
出版社は出版ビジネスの商品で、売れるものを作らなけばならない。
著書は研究者で、論文ではなく書籍とはわかっているもののいろんジレンマ・葛藤があったと思います。
でも、編集者が、
【不思議なお店「恋顔屋」をめぐる9つの物語。】として漫画やイラストをふんだんに使う構成にしたことで、とてもいい本になったと思いました。
この本については発売した年にブログに書いているのでこちらもどうぞ。
『「恋顔」になりたい! 愛される顔にはルールがある』(講談社)上田彩子(著)
ということで、次のバトンは日本顔学会若手交流会の中から1番やってくれそうな福富大介さんにお渡しします。
福富さん、よろしくお願いいたします!