大阪から池袋絵意知です!『大大阪の百貨店』(高島屋東別館 高島屋史料館)
WEB版の『週刊てりとりぃ』で連載中の「大阪から池袋絵意知です!」
2022年7月は、『大大阪の百貨店』(高島屋東別館 高島屋史料館)
※私が病気(風邪と熱中症)で原稿を締切までに上げられず、8月1週目のアップとなりました。大変申し訳ございませんでした。
前回書いた「タイフェスティバル」
大阪から池袋絵意知です!「タイフェスでタイビール飲んで気分爽快! in 湊町リバープレイス」
のあとにJR難波駅の上にあるOCAT(大阪シティエアターミナル)やなんばウォーク、裏なんば、
そして日本橋を歩いていると吸い寄せられるように「大大阪の百貨店」のポスターが目に入り、ここが高島屋東別館だと初めて認識し、最終日の前々日、7月2日に行ってきました。
コラム内でも書いている通り、
呉服店系、鉄道会社系の解説もあり、私が2020年12月に『週刊てりとりぃ』で書いた「百貨店の歴史と高島屋について考えてみた」を担当者が読んで企画したかのような内容で驚きました。
ぜひ、こちらを先に。
大阪から池袋絵意知です!「百貨店の歴史と高島屋について考えてみた」
今回のコラムは「百貨店の歴史と高島屋について考えてみた」へのアンサーにもなっています。
今回、病み上がりということもあって最後の締めもいいのが浮かんで来ませんでしたが、最終的にバッチリ締めました!
大が2個並ぶ「大大阪」は「おおおおさか」ではなく「だいおおさか」なのはナゼ?
ぜひ、ご覧ください!
簡単に写真で補足します。
高島屋東別館に向かっている途中にあったのがこちら。
DOTON PLAZA大阪
なんだかいろんなものがある場所。
皇紀二千六百年記念 とあります。
力士像 DOTON ※道頓関というらしい。
鳩ばかりの「安井道頓 道ト紀功碑」めちゃめちゃ大きいです。
後ろに見えるのが免税ショップ「DOTON PLAZA大阪」で外国人観光客には有名らしい。
堺筋から見た東側の道頓堀川
道頓堀グリコサインのある戎橋からの道頓堀川や、御堂筋からの道頓堀川の風景は見慣れているのですが、この風景は意識して見たことがなくて新鮮でした。
PCR検査屋ばかりの異常な街
大阪から池袋絵意知です!「2022年のりんくうタウンと関西国際空港」
で書いた「りんくうタウン駅」もPCR検査センターの広告ばかりで異常でしたが、歩いていたら無料の新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)検査センターでに出会う異常さ。
日本橋にも
黒門市場にも
中国人観光客のインバウンドがなくなったからって黒門市場の魚売ってる横のにまで店出してって感じです。
ガラガラで誰も人がいませんでしたけど、無料検査1件につき国か大阪府からこの店にお金が入るんでしょう。
難波にも
犬も歩けば無料PCR検査屋に当たる
って感じで異様でした。
日本橋も黒門市場も難波も「ミナミ」でそれぞれ5分も離れていない難波界隈です。
このカラクリどういうことか、みなさん、わかっているでしょうか?
東京の目黒区かどこかでは、無料のPCR検査場で検査すれば500円の商品券をもらえるとかで、それも3日ごとに検査を受けにきてよく、中国人がたくさん受けにきているとか。
やってることが無茶苦茶な世界です。
PCR検査は何にでも反応することで(陽性になる)精度が疑問だし、PCR検査で陽性になっても症状が出なかったり、陰性でも次の日にもう1回やったら陽性だったり。
いつまでこの茶番をやってんの!
って感じです。
今までも気づいてもらえる書き方で書いてきましたが、もうハッキリ言います!
ワクチン(mRNAワクチン)を打たせたいがための国家を上げての茶番。
もう、この騒動、このプロモーションがおかしいと気付きましょう。
無料、無料と言うけれど、
只(ただ)より高いものはない! です!
高島屋東別館 高島屋史料館
高島屋史料館の看板が夏の陽射しに当たって美しい。
「高島屋東別館・重要文化財指定記念展 大大阪の百貨店」
3階が高島屋史料館で、2階がタカシマヤ友の会教室、高島屋グループ事務所受付
高島屋らしい品の良さで期待が高まります!
「大大阪の百貨店」は、
3月5日(土)-5月9日(月) [第Ⅰ部] 「百貨店建築の登場」
5月21日(土)-7月4日(月)[第Ⅱ部] 「大大阪モダニズム」
で、私は「大大阪モダニズム」のほうを。
ローズちゃん人形がお出迎え
企画展示室「大大阪の百貨店」
高島屋長堀店模型(ここにアップしている写真は撮影OKだったものです)
高島屋初の本格百貨店
長堀店で使用したスタジオカメラ
現在の高島屋東別館はもともとは松坂屋大阪店で、当時の3階エレベーター残っていました。
古典様式にアールデコ調の装飾デザインを取り入れた昭和の華やかな百貨店建築
2021年には国の重要文化財に指定された。
幻の三越南海店
南海難波駅のターミナルデパートで高島屋本店といえる高島屋大阪店。
高島屋南海店としてオープンしましたが、難波駅のターミナル百貨店は先に三越が交渉中。
大阪、東京で出店ラッシュのなか、将来を見据えて高島屋が難波に出店の大英断!
もし、三越が南海難波駅のターミナルデパートに入っていたとしたら、南海沿線には他にも三越百貨店が出店し、南海は三越のラインができていたかもしれません。
藤澤茂
雑誌『大大阪』に掲載された記事「百貨店アラベスク」で大大阪の百貨店について論評した藤澤茂さんについての情報をお知りの方はぜひ、Eメール までご連絡ください!
三笠屋百貨店(大軌百貨店、大鉄百貨店、近鉄百貨店)
コラム内で書いている
阪急百貨店より早く開業した世界初のターミナルデパート三笠屋百貨店(大軌百貨店、大鉄百貨店、そして現在の近鉄百貨店に)
というのは、今回の、高島屋史料館 企画展示室での『大大阪の百貨店』からの情報ではなく、私が調べたものです。
世界初のターミナルデパートが三笠屋百貨店(それがのちに電鉄系の大軌百貨店→大鉄百貨店→近鉄百貨店となる)※現在の近鉄百貨店上本町店の元祖?
“電鉄会社運営”で、世界初のターミナルデパートが阪急百貨店。
呉服屋系百貨店初のターミナルデパートが高島屋南海店。
これで正しいと思います。
松坂屋大阪店当時のフロア案内板
記事内では文字数の関係で「地下2階」だけを書きましたが、これが時代を感じさせる興味深いものでしたので、ここに記録します。
【店内ご案内】
「地下2階」
古美術・刀剣、中古衣料・道具、古書、クリーニング、釣具
「地下1階」
台所用品、ガス器具、園芸用品、お届け品承り所、食料品、コーヒーコーナー
「1階」
パーラー、紳士・婦人洋品、裁縫・手芸用品、毛糸・ミシン、ショール・マフラー、傘・はきもの、ハンドバック・袋物、くつ・かばん、化粧品・薬品、スポーツ用品、のりもの、ドライブコーナー、商品券、たばこ、喫茶・軽食カトレヤ
「2階」
紳士服、婦人服、学生服、子供服、子供洋品、ベビー用品、特選洋品雑貨、ジュニアセクション、松坂屋歯科診療所
「3階」
呉服、結納用品、和服既製品、和服染仕立て承り所、寝具、ベッド、お得意係、ご進物相談所
「4階」
貴金属、時計・カメラ、めがね・検眼、美術工芸品、画廊、茶道具、電気器具、テレビ・ラジオ、楽器・レコード、陶・漆器、洋食器、和・洋家具、カーテン・敷物、台所家具
「5階」
特売場、文房具・図書、おもちゃ
「6階」
大食堂、婚礼式場長生殿、貸衣装、美容室、写真室、集会室、外商部<官庁・会社係>
「7階」
お好み食堂、高級人形、お部屋見舞品、和楽器、松坂文化クラブ、松坂屋ドレスメーカー女学院、劇場 松坂会館
「屋上」
こども遊園、マツザカパーク、小鳥。
※屋上は夏はプール、冬はスケート場として親しまれたとのこと。
百貨店の言葉通り、なんでも売っていて、遊ぶところもあり、パーラー、喫茶・軽食、食堂(レストラン)もあり、子供も大人も楽しめる近代的な大いなる魅力だったのでしょう。
今の百貨店では考えられない「刀剣」そして、犬や猫のペットでも熱帯魚のような鑑賞魚でもなく「小鳥」専用の店があったのもツボでした。
私は1966年(昭和41年)生まれですが、1970年代前半はセキセイインコや文鳥など小鳥を飼う一般家庭が多かったので、昭和一桁代の時代は、小金持ちの間で小鳥を飼うのがステータスだったのかなと思います。
アーカイブス展示室
洋装のはじまり
ドロシー・エドガース
昭和戦前の洋装人形(高島屋オリジナルデザインの洋装・婦人服を再現)があり、高島屋が日本のファッション文化をリードしてきたことがわかりました。
ファッションで言うと全身ヒョウ柄のオバちゃん、原色による派手派手コーデが大阪のファッションと思われますが、大大阪時代のファッションは非常に洗練されたものでした。
なんばで半世紀の時のポスター
南海難波駅のターミナルデパートになって50周年だから何年ごろでしょうか?昭和なのは間違いないです。
他にも歴史を辿るポスターがいろいろありました。
デジタル年表「髙島屋のあゆみ」
高島屋には百均の元祖とも言える10銭ストアがあった(このあたりは三越との差別化で大阪らしい発想です)。
ローズちゃんコーナーには、高島屋グループのコーポレートマスコット「ローズちゃん」が20体ほど大集合であります。
バラを持つローズちゃん
彫刻 有徳福来尊像
1階にはコミュニティーフードホール大阪・日本橋などが入っています。
どうですかこの美しさ!
これが 「大阪が東京を凌ぐ大都市だった」「大大阪時代」の象徴
テレビの影響で、大阪と言えば阪神が優勝したりした時に戎橋から道頓堀川にダイビングしているのとか、吉本興業のお笑いのイメージですが、モダンライフが広がり、文化芸術が花開く、近代大阪の黄金時代「大大阪時代」があったのです。
それも、今からたった100年前に!
なんでこうなったのかな?
と、考えるといろいろと見えてきます!
週刊てりとりぃ
今週は以下の2本です。
◉コロナ6波と7波の谷間で聞いた話(川村寛=元小学館クリエイティブ)
◉大阪から池袋絵意知です!「百貨店の歴史と高島屋について考えてみた」(池袋絵意知)